万葉植物野外講座
明日香村内を散策して万葉植物と自然、万葉歌の説明を受けます。講師は私の万葉仲間で万葉植物に詳しく、万葉歌を犬養孝先生直伝の”犬養調”で朗誦する「馬場先生」です。
近鉄飛鳥駅に集合し檜前方面へと歩き出します。
於美阿志神社(檜前寺跡)、文武天皇陵、高松塚古墳地区、川原寺跡などを巡るコースです。
植物講座ですけど、もう晩秋/初冬のこの時期、流石に”花”は少ないです。 ちょっと季節外れ感もありますが、スミレは何度か見掛けました。
また楓は万葉集では「かへるで」の名前で出ています。楓の紅葉は、落葉しているのが多かったですが
まだきれいに残っているのもありました。なお万葉集で「もみち」と詠まれているのは殆どは「黄葉」と書かれているのです。
今回万葉植物として万葉歌とともに説明を受けたのは、くは(桑)、くず(葛)、ちち(イヌビワ)、コウヤボウキ(たまばはき)、たで(蓼)その他沢山ありますが、花も無く見た目の華やかさではイマイチなので写真には撮っていないです。
植物の写真としては、ムラサキシキブ。緑の葉と合わさった方がキレイに見えますね。実だけだと少し寂しいです。
カワラナデシコは可愛く咲いていました。檜前川の土手に
キバナコスモスの群生が残っていました。
万葉歌碑も沢山見て回りました。高松塚古墳のすぐ近くには、「紅の赤裳」歌碑があり、
文字が読み難くなっていますが「立念 居毛曽念 紅之 赤裳下引 去之儀乎 11巻-2550」が刻まれています。
(訓読:立ちて思ひ居てもぞ思ふ紅の赤裳裾引き去にし姿を)この”立っていても座っていても恋したっている”という表現はよくあるフレーズのようです。
普通には見難い歌碑が、山上憶良の子供を思う歌、「銀母 金母玉母 奈尓世武尓 麻佐礼留多可良 古尓斯迦米夜母 巻5-803」歌は有名な歌ですが、歌碑のある場所が小学校の中のため自由に入ることができない所です。
この日は主催者側で予め了解を得ていたので入ることができました。
「明日香河玉藻」の歌碑は何度目かの訪問ですが、この歌碑は鏡面効果で写真を撮ろうとすると自分が写り込むので写真を撮り難かったのですが、低い位置からカメラ角度を上に向けて撮ると、鏡面は空となるので撮影者や歌碑前の風景が映らなく撮れる、というアドバイスがあり、その方法で撮ってみました。
あと少し写真を加えます。
高松塚古墳です。この辺りの地面は
猪に掘り返されてひどく荒れています。ブルドーザーの作業の跡みたいな感じです。
鬼の雪隠も立寄りスポットでした。また歩いていると、
農村の秋の風物詩、稲刈り跡も長閑な印象でした。
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