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2016年12月12日 (月)

モミジ を詠った万葉歌

万葉集でモミジに関する歌を調べていると、面白くなってちょっと読み耽っていました。
自分自身のメモの意味が強いですが、しつこく万葉と黄葉について…。
Photo   (根来寺)
文字ばかりでは味気ないので、私がこれまでに写した写真を混ぜ込みます。
 
さて、万葉集で最初に出てくるモミジの歌は、(巻1-16 額田王)の長歌で、モミジの部分は;
 
…秋山乃 木葉乎見而者 黄葉乎婆 取而曾思努布…  であり、読み下しは;
秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてそしのふ…  です。
 
【黄葉乎婆】 の部分は「モミチオバ」になりますね。 モミチバオバと読むと字余りになります。
この歌は天智天皇が、春の山の花が一斉に咲き始める景色と、秋山の色付きとどちらが趣が良いか?と問いを発したのに、歌で応えたもので、額田は秋に軍配を上げたのです。
 春の山は鳥が唄い、花が咲き誇り見事だけど、草木が茂り、山に入って手に取って楽しむことができない。秋山はモミジの葉っぱを手に取って楽しむことができるので秋が好き、というように歌ったのです。Photo_2 (宇治平等院)
次は「モミチバ」と読む例です。(巻10-2210)
 
明日香川黄葉流る葛城の山の木の葉は今し散るらし
 
原文: 明日香河 黄葉流 葛木 山之木葉者 今之落疑
  ここの「黄葉流る」は「モミチナガル」では字足らず、「モミチバナガル」でぴったりです。
 ただ、「流」を、ナガルルと読めばモミチが妥当ですね。でもここは「ナガル」と読むようです。
 
意味は、明日香川を(色付いて落葉した)モミジの葉が流れて行くよ、(私の故郷の)葛城の山でも木の葉が今頃散っているんだろうなぁ。 というものです。
Photo_3 これは永平寺にて
紅葉の色が変わっていく様子の変化を詠ったものもあります。使われている字に注目です。
九月  白露負而  足日木乃  山之将黄變  見幕下吉 (巻10-2200)
『黄變』と書かれていますね
歌の読み下しは;
ながつきの 白露負ひて あしひきの  山のもみたむ 見まくしもよし
 「黄変」を「モミタム」と読んでいます。 モミツ(黄葉する、という四段自動詞)の活用形ですね。  「黄色く変わる」、分かり易いです。
 
モミジは挽歌(死者を追悼する歌)としても色々詠われています。
Photo_5
 
柿本人麻呂が妻を亡くして悲しむ歌があります。長歌の後の反歌ですが、
 
秋山の黄葉を茂み惑ひぬる妹を求めむ山道知らずも  (巻2-208)
 
 原文: 秋山之 黄葉乎茂 迷流 妹乎将求 山道不知母
秋山に入り紅葉が茂っていて路に迷って帰れなくなった(死んでしまった)妻を探しに行きたいが、自分も道が分からない  悲しいなあ
 
 
Photo_4  (熊野古道爪がき地蔵)
 
 
万葉集で有馬皇子とともに悲劇の皇子として知られている、大津皇子の歌で、(巻8-1512)

「 経(たて)もなく緯(ぬき)も定めず少女(おとめ)らが 織る黄葉(もみちば)に 霜なふりそね 」   
 
原文: 經毛無 緯毛不定 未通女等之 織黄葉尓 霜莫零
機織りの縦糸・横糸と決めずに自由に織りなす自然の山の色付きを詠み、霜が降って散らないで欲しいと言ってるとのことです。
「織黄葉尓」の「織」を、オルと読めば黄葉は「モミチバ」になりますが、別の説では「織」は「オレル」とも読んでいます。そうなると、黄葉は「モミチ」となりますね。
なんか結構疲れてきました。Photo_6紅葉でなくて、秋の風景として、かつらぎ町の柿です。これほどたわわに実った柿の木は実は収穫・出荷されるものとは違います。
最後の万葉歌はかつらぎ町が舞台の「紀伊万葉歌」です。
原文:勢能山尓  黄葉常敷  神岳之  山黄葉者  今日散濫 (巻9-1676)
読み:背の山に 黄葉常敷く 神岳の 山の黄葉は 今日か散るらむ
 背ノ山:今居るかつらぎの山、 神岳の山:故郷大和の国の山
黄葉が2度出てきています。
終わります。  紅葉、黄葉することを詠んだ万葉歌は100首を超えてあるので、
こんな調子で紹介していたら、終わりが来ないですねえ。
今回のブログに最後までお付き合い頂いた方、有難うございます。お疲れさまでした。happy01
 
 
 
 
 

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